Attention染め替え注意点

染め替えは、衣類に大きな負荷がかかります。
生地の傷みや破損、型崩れ、引きつれなど、
染める前には予測できないことが起こることもございます。
染め替えのやり直しは原則受け付けておりません。
また、染める前に戻すことも不可能です。
作業前の確認、丁寧な作業を心がけますが、万が一障害が発生した場合、
弊社では責任を負いかねますので
下記注意点をご理解、ご納得の上でご依頼いただきますようお願い申し上げます。

<染め替え注意点の読み方>

A.染め替え不可能な素材・加工
まずは染め替え可能か確認!

B.全ての素材に共通する注意点
染め替えの基本事項を確認!

C.INDEX
該当する素材・アイテム・付属品・加工についての注意事項を選んで確認!
※項目をクリックすると該当箇所にジャンプします。

A.染め替え不可能な素材・加工

  • ・素材が不明なもの
  • ・毛(ウール、カシミヤ等の獣毛類)が含まれたもの
  • ・アセテート(トリアセテート、ジアセテート)
  • ・アクリルが使われているもの
  • ・ダウンジャケット・コート(ボリュームダウンや詰め物が偏るため)
  • ・キルティング加工がされていない中綿が使われているもの
    (糸で綿が固定されていないと中綿が偏ってしまうため)
  • ・取り外せないファーがついたもの
  • ・本革が使われているもの(革パッチなどは外してからお送りください)
  • ・水を弾いて全く吸収しないものや、吸収の悪いもの(ゴアテックス、ゴム引きコート)
  • ・藍染め、インディゴ染めのもの
    (色落ちがおさまっている場合は染め替え可能です。また、藍染め等の記載がない場合でも色移りが激しい場合は染め替えできません。)
  • ・表面加工されたもの(ポリウレタン樹脂コーティングなど)
  • ・オイルド、ワックスド生地
  • ・硫化染め製品
  • ・形状記憶加工がされたもの(「シワがつきにくい」といった記載のものも含む)

その他、染め替え可能か不明な場合にはお問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください

B.全ての素材に共通する注意点

1.どんな素材でも程度の差はありますが、縮みや型崩れは生じます。

特に、形のカチッとしたジャケットやコートは型崩れが目立ちます。
また、ジャケットは縮みやすい傾向があります。
ものによっては、軽くしわを取ることはありますが、通常プレス仕上げは行っておりません。
よれやしわが気になる場合は、お手数ですがクリーニング店などでプレスを行ってください。

2.縫製糸はポリエステル糸を使用している場合が多く、
本体の素材と異なる場合には、糸は染まりません。

糸も染めることは可能ですが、2回染めることになるので、2倍以上の染め替え料金となります。
また、生地にも負担がかかりますので、糸も染色する場合にはご相談ください。

3.防水・撥水加工のされているものは原則染めることができません。

かかり具合により可能な場合もありますのでご希望の方はご相談ください。
※水を垂らして10秒以上たってもまったく水を吸収せず、
指でつぶしてもコロコロと水滴のままの場合は染め替え不可能です。

4.色抜け箇所だけを部分的に染めることはできません。

漂白剤による色抜けなど、部分的な色抜けの場合も全体を染めます。
また、漂白剤による色抜け箇所は染まりにくくなっているため、稀に色差が残ることがあります。

5.元色よりも濃くなります。

色あせやシミなどによる色差を埋めるには
ある程度の濃さが必要なため、元色よりも濃い仕上がりとなります。

6.染め替える前にはわからなかったシミなどが、
染め替えにより目立つようになる場合があります。

何らかの薬剤などがついていると、染料がそこだけ入らなかったり、
逆に濃く入ったりして、シミのように現れる場合があります。
特に、クリーニング店などで染み抜きを行なった衣服はご注意ください。

7.複数の素材が使われているものは染め替えリスクが高くなります。

「一部の素材しか染まらない」、「型崩れが大きくなりやすい」、組み合わせによっては「染め替え不可」の場合があります。
お問い合わせの際は、表地だけでなく裏地や別布の素材など品質表示タグに書かれている素材すべてをお知らせください。
※タグに書かれていない素材が使われていることもあるため、全てのリスクを予測することは不可能です。

8.生地の傷み、ほつれ、破れなどがある場合、
染め替えにより状態がひどくなる場合があります。

長い間着用していたもの、古いものなどは傷みがないかご確認をお願い致します。

INDEX

素材別注意点

染め替えによる縮みの出やすさ

※あくまでも目安です。これ以上縮む場合もあります。

 
綿
綿
1〜3%
麻

2〜3%
レーヨン・シルク
レーヨン・シルク
3〜5%
ポリエステル
ポリエステル
10%程度
ウール
ウール
10%程度

綿・麻

もっとも染め替えリスクの少ない素材です。全く縮まない場合もありますが、縮む時には1~3%ほど縮みます。
綿より麻の方が縮む傾向があります。

レーヨン・キュプラ・リヨセル・テンセル

縮みが大きく発生する素材です。50%以上含まれていると縮みが大きく出るため、ジャケットなどのような形のカチッとしたタイプの染め替えはおすすめしません。
染め替え後は少し硬くなり、ごわついた手触りになることがあります。
キュプラやレーヨンがジャケットの裏地に使われている場合、縫製部分が破れるなどの事故が度々発生しています。総裏地の場合は特に危険性が高いため、おすすめしていません。
染め替えには、裏地や肩パッドのないラフなジャケットが向いています。

シルク

ブラウスなど薄手のものは可能ですが、ジャケットなど厚手のものや、丈の長いものはお受けできません。
また、濃色で染めても表面が白っぽく、浅い染め上がりになることがあります。
デリケートな素材なので、ダメージ部分が染まらずムラになったり、縫製の弱い箇所などが負荷に耐えられず、裂ける場合があります。

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ポリエステル

強いシワと縮みが出やすい素材です。生地の織り方などにより、縮み幅は異なりますが、平均すると約10%ほど縮みます。
染め替え後、シワが気になる場合はクリーニング店でプレスをすることである程度は伸びますが、染める前とまったく同じ状態にまでは戻るとは限りません。当店ではプレスを行っておりませんので、お品物到着後、クリーニング店等にお出しください。

プラスチックボタン、その他付属品がある場合は取り外してからお送りください。破損の恐れがあります。

ファスナーがある場合は、生地の縮みによりファスナー部にゆがみが生じ、開閉しづらくなる場合があります。
ファスナーがゆがむことで見た目にも変化があります。

ファスナー等、金属部分に塗装がされている場合、塗装浮きや、はがれが生じます。
また、金属の付属品は負荷がかかる箇所が破損する場合があります。


染めてしまってから直すことはできませんので、ファスナー、金属部分などの取り外せない付属品があるお品物は、染め替えをお受け出来かねますのでご確認お願い致します。
 

ナイロン

縮み、シワが出やすい素材です。染め替え後、シワが気になる場合はクリーニング店でプレスをすることである程度は伸びますが、染める前とまったく同じ状態にまでは戻るとは限りません。
ボタン、その他付属品がある場合は取り外してからお送りください。破損の恐れがあります。

アクリル

強いシワと縮みが出やすい素材です。シワが出た場合、プレスしても直らない場合があります。
リスクの高い素材ですので、お受けできません。

ウール

縮み・型崩れの出やすい素材です。
薄手のニットは可能ですが、厚手のセーターやジャケット、コートはお受けできません。
ウールと他の素材との混合素材の場合、ウールの部分だけ大きく縮むことにより、型崩れが起こります。
ボタン、その他付属品がある場合は取り外してからお送りください。破損の恐れがあります。

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アイテム別注意点

ジャケット

スーツジャケットなどの形のかっちりとした服は縮みや糸の引きつれ、型崩れが出やすいです。
特に総裏地(裾まで裏地がついているもの)で芯地が使われているものは、大きく形が崩れることが多いため、通常お断りしております。
裏地のないラフなジャケットの方が染め替えには向いています。
当店ではプレスを行っておりませんので、必要な場合はクリーニング店などでプレスを行ってください。

裏地は水濡れに弱い素材が多く、破ける場合があります。
特にキュプラやレーヨンの総裏地は破損の可能性が高いため、通常お断りしております。
ポリエステルの裏地でも、生地端がロック処理をされていない場合、大きくほつれることがあります。
生地端の処理はおもてからは見えないため、染める前に判断することができません。
当店ではお直しサービスをおこなっていないため、万が一破損等の事故が起きた場合もそのままお渡しさせて頂いておりますので予めご了承ください。

縮み・シワが大きく発生する素材です。染め替え後、シワが気になる場合はクリーニング店でプレスをすることである程度は伸びますが、染める前とまったく同じ状態にまでは戻りません。

ジーンズ・デニム

ジーンズには縦糸もしくは横糸が白く、白いちらつきがありますが、染め替えをすることでこの白い糸部分も染まるため、ジーンズ特有の雰囲気は失われます。
参考コラムはこちら
ジーンズの元々の染色方法により、染め替えをお受けできない場合があります。
乾いた白い布で色の濃い部分を往復10回程度強めにこすった際に、布に色移りしている場合は、当店ではお受けできません。
こちらでお調べすることも可能ですが、染め替え不可となった際には着払いにてお返しさせていただきますので、可能でしたらお調べの上、問題ないようでしたらお送りください。

本革のパッチについてはこちら

コート

水を垂らしたときに吸収されず、ころころと転がる場合は少ししか染まらない、ムラになる可能性があります。
コートは何らかの表面加工されている場合が多く、その影響で染めムラができる場合があります。
品質表示をよくご確認いただき、加工についての記載がある場合はお知らせください。
形のかっちりとしたデザインは縮みや糸の引きつれ、型崩れが出やすいです。
大きめの肩パッドは中の綿が偏ってしまうため、染色には向きません。
ファーは熱により大きく変形・変質してしまうため、取外しができない場合は染め替えができません。

本革のバックルについてはこちら

ワイシャツ

スーツに合わせるようなシャツには、形態安定加工がされていることが多くありますが、ムラになるため染め替えをお受けできません。
品質表示タグに「シワがつきにくい」といった記載のものも含みます。

生地

製品になっていない生地も染められます。
素材により縮みが発生しますので、縮み分を含め大きめにカットしてお送りください。
カット端がほつれやすい場合は、可能でしたらロック処理をお願いいたします。
こちらでロック処理をすることは可能ですが、その分サイズにゆとりを持ってカットしてください。
対応サイズ:短辺100cm程度、長辺150cm程度が限度です。
それ以上大きくなりますとムラが出やすくなります。
対応サイズ内でも、厚い生地は擦れにより筋状に白くなることがあります。
(長さが10m以上ある場合は別途お問い合わせください)

ソファカバー

綿麻素材のみ可能です。
撥水加工がされていると染まりにくく、ムラになる可能性があります。
厚い生地は擦れにより筋状に白くなることがあります。
縮みが出ますので、全くゆとりのないものは取り付けられなくなる可能性があります。
マジックテープは熱により付きが悪くなりますので、付け替えが必要になる場合があります。

バッグ

染められるのは布だけでできたラフなもののみです。
水を弾くもの、革や金属パーツが使われているもの、底板がついているものはお受けできません。
厚い生地は擦れにより筋状に白くなることがあります。

参考事例:バッグの染め替え

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染め色について

元の色よりも薄い色や、明るい色、鮮明な色には染めることができません。
また、白い服の黄ばみなどを落として白くするなど、しみ抜きはできません。
ご希望の色に近づけるよう努めますが、元色や生地により、ブレなく仕上げることは不可能です。
ある程度の色幅を想定ください。
店舗には色見本をご用意しておりますので、ご来店いただける場合には当店の色見本よりお選びください。
色見本はこちらよりご確認ください。各料金表ページに色見本がございます。

付属品について

ブランドタグ・品質表示タグ

素材によっては染まる場合があります。 染めたくない場合は取り外してからお送りください。

ボタン

プラスチックボタンは取り付けたまま染めることも可能ですが、稀に破損する場合があるため、取り外した方が安全です。
お手数ですが、お客様にて取り外しの上、お送りください。
※木製ボタン、貝ボタン、革ボタンは取り外し、ポリエステル染めやナイロン染めの場合は素材に関わらず取り外しとなります。
また、色の薄いボタンは着色する場合があります。(全体が均一に染まるわけではなく、凹凸部分に染料がつきます)
つけたままお送りいただいた場合はそのまま染めさせていただきます。
万が一、破損や紛失した場合(ボタンが取れた場合、排水と一緒に流れてしまうことがあります)もそのままお渡しさせていただきますので予めご了承ください。

金属の付属品

細かな傷や白い粉がつく、変色するといった恐れがありますので、取り外し可能なものは取り外してお送りください。
取り外せないものに関しましてはそのまま作業をさせていただきますのでご了承ください。
ファスナーのスライダー部分などが破損することがございます。
必要な保護はした上で染めておりますが、つくりが精緻なもの、脆くなっているものは破損の恐れがありますのでお受けできません。
破損等が起きた場合、基本的にはそのままお渡しさせて頂きますが、こちらにて修復業者による修理を手配することも可能です。(別途料金を頂戴いたします)
業者により修復不可能と判断された場合は、そのままお渡しさせて頂きます。

革の付属品

本革は大きく縮み、硬くなるため、つけたまま染めることはできません。
合成皮革、人工皮革は縮みは大きく出ませんが、表面がはがれたり変色することがありますので、気になる場合は取り外しをおすすめ致します。

▲ 本革のパッチは大きく縮み、硬くなります。
▲ ベルトのバックルは中の金属がむき出しになる場合があります。

ラメ

接着剤でラメが付いている場合には取れてしまいます。また、熱により変性し、輝きがなくなったり、透明のラメの場合は白濁する場合があります。

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刺繍・ワッペン・プリントについて

刺繍糸やワッペンの素材が本体と同じ場合には、刺繍やワッペンも染まります。
プリントはまれに剥がれることがあります。
剥がれない場合でも、うっすらと色がつくことや、プリント方法によっては染まることもあります。
また、赤などの鮮やかな色はくすみが出ます。
プリントが染まったり、はがれてしまった場合、修復は不可能ですので、プリントが施された洋服は、プリントがはがれる可能性や、染まる可能性も含めご検討をお願いいたします。
タグに刺繍糸やワッペンの素材の表記がない場合、見ただけでは素材を判別できないため、染まるかどうかはやってみないと分かりません。 また、一部分だけを染まらないようにすることはできません。

加工について

プリーツ加工、シワ加工などは取れてしまうか、またはかかり方が弱くなります。

コーデュロイ、フリース、ボアについて

フリース素材や、表面に起毛処理がなされている場合、
毛足が短いものはあまり影響がありませんが、
ある程度の長さがあるものは毛足が不揃いになる恐れがあります。
ボア素材は、毛足が不揃いになったり、束になってしまう場合があります。

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